肩こりは頭痛の原因になるのか?多くの人が感じている違和感の正体
「肩がこると、決まって頭が重くなる」
「首や肩がつらい日は、頭痛まで出てくる」
こうした感覚を持っている人は少なくありません。
実際、肩こりと頭痛はまったく無関係ではなく、日常生活の中で密接につながっているケースが多くあります。
ただし、すべての頭痛が肩こりだけで起きているわけではありません。
肩こりが引き金となって起こる頭痛には特徴があり、その仕組みを理解することで、自分の状態を冷静に判断できるようになります。
この記事では、
・肩こりと頭痛の関係
・なぜ肩がこると頭が痛くなるのか
・肩こり由来の頭痛の特徴
・悪化しやすい生活習慣
・日常でできる対策
について、順を追って詳しく解説していきます。
肩こりが原因になりやすい頭痛とは
肩こりと関係が深いとされる頭痛の代表例が、「緊張型頭痛」です。
緊張型頭痛は、日本人に最も多いタイプの頭痛といわれており、次のような特徴があります。
・頭全体が締め付けられるように重い
・ズキズキではなく、鈍い痛み
・首や肩のこりを同時に感じる
・夕方から夜にかけて強くなりやすい
・休むと少し楽になることがある
このタイプの頭痛は、筋肉の緊張が大きく関係しています。
なぜ肩こりが頭痛につながるのか
肩こりが頭痛につながる背景には、いくつかの要因が重なっています。
首・肩まわりの筋肉は頭と直接つながっている
首や肩の筋肉は、頭を支える重要な役割を担っています。
長時間のデスクワークやスマートフォン操作などで、頭が前に出た姿勢が続くと、首から肩にかけての筋肉は常に引っ張られた状態になります。
この状態が続くと、筋肉は硬くなり、血流が悪くなります。
血流が悪くなると、頭に十分な酸素が届きにくくなる
筋肉が緊張し血流が滞ると、頭部への酸素供給も低下しやすくなります。
その結果、頭が重い、締め付けられるような痛みが出やすくなります。
筋肉の緊張が神経を刺激する
首や肩には多くの神経が通っています。
筋肉が過度に緊張すると、周囲の神経を刺激し、頭痛として感じられることがあります。
肩こり由来の頭痛が起きやすい生活習慣
肩こりが慢性化している人ほど、頭痛が起きやすくなる傾向があります。
特に次のような生活習慣は要注意です。
長時間同じ姿勢で過ごしている
デスクワーク、スマートフォン、車の運転など、同じ姿勢が続くと、首・肩の筋肉は休む時間を失います。
無意識に肩に力が入っている
緊張しやすい人、真面目な人ほど、無意識に肩をすくめる癖がつきやすく、筋肉の緊張が抜けにくくなります。
冷えやすい環境にいる
冷房や寒さで首・肩が冷えると、筋肉はさらに硬くなり、血流が悪化します。
運動不足
身体を動かす機会が少ないと、筋肉が硬くなりやすく、肩こりが慢性化しやすくなります。
肩こり由来の頭痛のサイン
次のような特徴がある場合、肩こりが関係している可能性が高いと考えられます。
・肩や首を動かすと頭の重さが変わる
・肩を温めると頭が少し楽になる
・マッサージ後に頭痛が軽減する
・目の疲れと同時に起こりやすい
こうしたサインがある場合は、肩や首の緊張を見直すことが大切です。
肩こりを放置すると頭痛が慢性化しやすい理由
肩こりをそのままにしていると、筋肉の硬さが「当たり前」になってしまいます。
その状態が続くと、身体は緊張した状態を基準として覚えてしまい、少しの負荷でも頭痛が出やすくなります。
また、頭痛が続くことでストレスが増え、さらに肩に力が入るという悪循環に陥ることもあります。
日常生活でできる肩こり・頭痛対策
こまめに姿勢を変える
30分〜1時間に一度は、肩を回したり、首を動かしたりするだけでも効果があります。
肩や首を冷やさない
特に就寝時や冷房の効いた環境では、首元を冷やさない工夫が大切です。
深い呼吸を意識する
呼吸が浅いと、肩に力が入りやすくなります。
ゆっくり息を吐くことを意識すると、自然と肩の力が抜けやすくなります。
湯船に浸かる
シャワーだけで済ませず、湯船で身体を温めることで、血流が改善しやすくなります。
セルフケアだけでは足りないケースもある
一時的に楽になっても、すぐに元に戻ってしまう場合、筋肉の深い部分に硬さが残っている可能性があります。
首や肩の深部にある筋肉は、自分で触れることが難しく、セルフケアでは限界があります。
そのため、
・慢性的な肩こり
・繰り返す頭痛
・休んでもスッキリしない
といった状態が続く場合は、外からのケアを取り入れることも選択肢のひとつです。
肩こりケアが「楽になる感覚」につながる理由
肩や首の緊張が緩むと、
・頭が軽く感じる
・目が楽になる
・呼吸が深くなる
・気持ちが落ち着く
といった変化を感じる人が多くいます。
これは、血流や神経の働きが整い、身体が本来の状態に近づくためです。
まとめ|肩こりは頭痛の原因になることがある
肩こりは、単なる疲れではなく、頭痛につながる要因になることがあります。
特に、首・肩の緊張が続いている人は、頭の重さや違和感として現れやすくなります。
大切なのは、
・自分の身体のサインに気づくこと
・無理を続けないこと
・緊張を溜め込みすぎないこと
です。
肩こりを軽く考えず、日々のケアを意識することで、頭痛の起きにくい身体づくりにつながります。
